2011年7月12日火曜日

独学でデッサンを学ぶ② 

独学で水彩画やデッサンを学ぶ時、「よし!描いてみよう!」と思っても「何を描いたらいいのだろう」「どんなふうにモチーフをセッティング・配置したら良いのだろう」
という疑問がわきます。今日は基本的なモチーフの選び方や配置の仕方を考えてみます。
(最後にまとめてポイントを書きました。)


まずはビンとリンゴです。よく見るモチーフです。絵画を学んだ人であれば1度は描いたことがあるのがこのモチーフだと思います。
絵画を学んだことのない人でも、一度は見たことあるモチーフなので、どのように配置したらよいかなどイメージしやすいと思います。
何より自宅で絵画を学ぶ場合、ビンとリンゴという揃えやすさが魅力です。下にひいた白い布はモチーフの色のわかり易さや、影がどのように落ちているか観察しやすいですし、描いたときにモチーフがすっきりと見える効果があります。
お家に白い大きな布がない場合は、コピー用紙等を代用するとよいでしょう。描くことに慣れてきたら色紙などを使うと絵の雰囲気が変わり面白いです。

モチーフを身近にあるものから選んでみましょう。
たとえばキッチンを見回してみて、お野菜やキッチン用品でモチーフのセットを組むこともできます。



生徒さんの作品です、モチーフは生徒さん自宅にあった「おたま・レモン・パプリカ」でセットを組みました。このモチーフを選ぶときに気を付けたことは
・同じ質感のモチーフになりすぎないこと
・モチーフが同系色に偏りすぎないこと
です。描くときには、通常の証明に加えて、スタンドライト等を利用して1方向から大きな光が当たるようにしています。こうすることで影がどのように落ちているか、モチーフはどのような形状をしているかが、わかり易くなるのです。
セットするモチーフは自分から見て綺麗に整列しすぎないよう、ある程度重なるように、前後関係をつけて配置すると描きやすいと思います。この作品の場合は上から見ると三角形になるようにセッティングしてあります。
三角形に配置することでモチーフ同士の距離関係・前後関係を明快にしています。また、床に落ちる影を描きやすく、より空間を描きやすくしています。「空間を描く」という言い方は難しく聞こえるかもしれませんが距離感を描きやすくしていると考えてください。

以下は、モチーフの選び方と配置の仕方のとっても大まかではありますが、まとめてみました。

モチーフの選び方
・まずは家にあるものから選んでみる。
・色や質感が同じものばかりにならないように注意する。
・モチーフの下に白い布や紙を敷いてみる。

配置の仕方
・上から見て同方向に並びすぎないようにする。
・描く方向から見て前後関係がわかるように、多少重なって見えるように配置する。
・通常の照明に加えてスタンドライトなどで1方向から光を当ててみる。

その他、場合により、あるいは例外的にさまざまなモチーフの選び方や配置の仕方がありますが、まずは以上のような選び方と配置の仕方で始めてみると良いと思います。





美術の家庭教師

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